疎開1:親と離れて400日 トップページに戻る
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 阪神大震災から1カ月経ちました。神戸から転校した学童は1万人を超した
ようです。今から50年前、神戸大学のすぐ前の高羽小学校(灘区)から落合
に集団疎開して来ていました。その事が冊子になって落合の学区内に配られて
います。その冊子からの転載をこのHPにさせてもらいます。
   その「高羽文庫資料集(上)」の前書きの一部抜粋。
  先日、あるお宅を訪ねたとき、話が落合小学校の『高羽文庫』のことになり
ました。すると、そこのおばあさんが、「このごろのせちがらい世の中にめず
らしい心あたたまるいい話ですなあ。それも身近な所で。私は、こんな話を聞
くと涙が出ます。」と、ひどく感動されました。
  戦争末期、空襲も激しくなり学童疎開が行われ、落合へも神戸から集団疎開
して来ました。愛しい小学3年生のわが子を見知らぬ土地へと覚悟された親の
心境と、幼い子が父母と離れてくらした400日もの日々を想いますと胸がつ
ぶれます。でも、その人たちは今、宿舎の方のやさしさと落合の人のあたたか
さにお礼をしたいと、毎年、本を送ってくださっています。「生きている限り
送り続けたい。」と話しておられます。
  田舎の学校にはどこにも学童疎開はあったようです。けれども、それが縁で
50年近くたった今でも交流が続いているということは大変めずらしいことで
す。私たちは、このことを落合の誇りとし、心の教育に生かしていかなければ
なりません。

                              (95/02/17)