幻住寺・スダジイの森 トップページに戻る
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 野山を1000年も自然のままで放置しておくと、岡山県の気候では、スス
キ草原→アカマツ林→シイ・カシ林と移り変わると言われます。人は山奥まで
住んでおり、当然、人手が入って森は極相にならずアカマツ林などです。
 神社やお寺の森だけは、自然が保護されてシイ・カシの森になっています。
でも規模は小さく社寺の周りのほんの少しだけです。まあまあ何とか照葉樹の
森らしいところは県内数十箇所だそうです。冬の雪山に単独で登る元気がなく
て、登山の代わりにいくつか森を訪れてみたくなりました。
 手始めに、隣の旭町の夢中山(512m)曹洞宗幻住寺を訪ねました。参拝の後
に裏山に入りました。はっきりした道跡はありませんが鬱蒼とした林の中はあ
ちこちに歩き回れます。スダジイの大木を主体にアカガシ・松・山桜などが太
陽光を競って高く伸びています。葉はてっぺんだけ。落葉樹の所だけが葉が落
ちて空が望めます。ツバキ・ヒサカキなど低木の間に獣道が続いています。朽
ちた枝や倒木の雑然とした林で、ブナ林の明るさ美しさはありません。でも、
1時間余の山歩で、照葉樹林もいいなぁと気に入りました。

                              (95/01/15)