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 「人が居なくなる。里山を守る者が居なくなる。雑木林は絡み合い、下草は
伸び放題。ギフチョウの食草であるカンアオイは、日当たりのよい低山の斜面
に生える。手入れの途絶えた里山は荒れ、カンアオイの好む日当たりの良い場
所が無くなって行く。そしてギフチョウが消える。」とのこと。
 この話をきいて、すぐセンブリのことが浮かんで来ました。昭和30年頃ま
では、どこの農家にも牛を飼っていました。わが家にも黒牛を1頭飼っていて、
田の耕運などに使ったり、子牛を成牛に育てて売り換金する大切なものでした。
生き物だけに世話が大変です。1日も休めません。
 餌は藁・糠・草など。小屋の清潔のために、度々藁や草を入れ替えてやりま
す。その草は主に山の採草地から持ち帰ります。毎日の事ですから莫大な草の
量です。そのため山にはきれいに草刈されたところがあちこちにありました。
その採草地にセンブリがたくさん生えていたものです。牛がトラクターに変わ
り、草は不要で、草刈りしなくなり、草は伸び放題でセンブリが生えません。
センブリは店に生えるようになりました。

                              (94/11/01)