ブナに熊の爪跡 トップページに戻る
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 「これが熊の爪跡ですよ。」と前を行くOさんが教えてくれます。直径80
cmばかりのブナの木肌に2〜3本の小さな爪の古傷があります。少し横に同
じような跡が並んでいます。上にも2つ並んだ跡がついており、さらにその上
にと登っています。説明を受けないと見逃してしまうような爪跡です。
 ここは県北の山の稜線です。その山の東面は天然林、西は檜や杉が植林され
ていますが、植林の手入れは悪く荒れ放題です。全体に小振りなブナが疎らに
ある林です。3mを越す根曲がり竹が尾根を覆っています。
 Oさんは本職も山歩き、趣味も山歩きで、週2日程度の山休みという人です。
県内はもとより隣接県の山の事なら何でも知っています。ふらっと九州の山を
訪ねたり、北陸の山をさまよったりは日常の事のようです。
 熊が出たという記事は見ますが、それはヨソゴトと決めていましたが、
「熊は、前足で幹を抱え後足の爪を立てて登り、ブナの実を取るんですよ。」
と、目の前に証拠を見せられると、ヨソゴトではありません。
「あるウ日 森の中 くまさんに であアた・・」ら、どうしたものかな?

                              (94/10/26)
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