買いもの帰りの幸せ トップページに戻る
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 夕げの支度をしに帰る部屋が、待っていてくれます。きっとあの建物のあの
明かりのついているあの窓の辺りじゃないかしら。「もうすぐ帰って来てくれ
るかな。」と、部屋が待っていてくれる幸せ。
 そして極めつけの幸せは「歩く」ということ。歩いて帰るということ。歩い
ているときが、まさに私にピッタリあっています。両手にスーパーの白い袋を
下げて、あの窓の明かりのついた部屋へ歩いて、歩いて帰る幸せ。
 車の光が流れていくように最高の幸せの時が流れていきます。一つ一つの窓
の明かりに、一つ一つのそれぞれの幸せがあるように私の帰るあの窓にもそれ
なりの幸せがあります。明かりのついた小さな部屋の中にある小さな幸せ。

                              (94/10/20)