びっしり ショウゲンジ トップページに戻る
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 「マツタケは不作」と言われるこの秋、県北の蒜山で聞いた話です。
 蒜山は県下有数のキノコの産地で、約200種類あるそうです。「今年は猛
暑で雨が少なく心配されていましたが、先月からまとまった雨が降り、キノコ
は数年来の豊作だ。」とIさんは嬉しそうに話されていました。 
 キノコ狩りの場所は、それぞれの方の独自の秘密の場所を持っていているそ
うです。長年のキノコ狩りの経験から、「あそこは○○の時期に生えている。」
「あそこは2年ごとに生える。」「雨上がりに□□に行くと△△がある。」な
どと(親にも教えない)場所があるんだそうです。
 先日も色づき始めた雑木林の中の、Iさんの某所に行ってみると、枯れ葉の
中からむっくりと傘を開かせたショウゲンジがびっしり生えていたそうです。
「ショウゲンジは塩漬けにした後、からしあえや粕漬けや煮しめにして年中食
卓を飾っており、蒜山ではなくてはならないもの。」「自然がくれた恵に本当
に感謝しているんです。」と満足そうでした。なお、中毒事故を防ぐための鑑
定や料理法の開発などに、研究グループを組織しているそうです。  

                              (94/10/14)