私の登る山の多くは、クマザサに覆われているます。葉の広い笹は一口にク
マザサと呼んでいます。ブナの下草にもよく似合い、山歩の心を和ませてくれ
ます。あの艶のある葉は、チマキにも笹船遊びなどにも良さそうです。
　８月末に蒜山に登ったときです。ふと「弾痕ザサ」が目に止まりました。き
れいな穴だなあと思うと、「ここにも、ここにも。」とたくさん見つかります。
どこの山にも多いのでしょうが、こんなに気にして見たのは初めてでした。
　１０個ばかりの穴が横一列にきれいに並んでいます。少しずつ大きさの違う
穴が大きさ順に等間隔に並んで葉を横切っています。ほとんどが（葉先を手元
にして見て）葉表右側の穴が大きく左へと小さくなっています。
　一葉に二列三列もあり、穴あき寸前の黄色いシミもあります。穴が大きすぎ
て葉がちぎれたり、折れ曲がったりもあります。いったい誰があけた穴？
「あれは虫が食べたんではなく病気だ。」という人もいましたが・・・
　孫の土産にと持って帰ってみると、孫は西部劇のテレビをみていました。早
打ち名人がダダダダと打ってそっくりの穴を開けていました。まさか？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(94/09/05)