1996.10.
ぶらり岩倉山
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 (窓岩登山口 14:00 3m) あまり登る人のいない草ぼうぼうの道です。道辺
のヌスビトハギは「くっつくぞー」と身構え、山芋は黄色くツタウルシは赤く
葉を染めて秋を演出しています。登り始めるとすぐ汗ばんできましたが、天候
の悪化と下山の時刻が気になり先を急ぎます。ことり山展望台を過ぎるとコン
クリート舗装の車道に出ますが、これは寺の参道で間もなく岩倉寺です。

 (岩倉寺 14:20 180m) 岩倉山の中腹に、木立に囲まれて堂宇が建っていま
す。千三百年も前に海中で発見された千手観音をまつり、大漁祈願の寺として
崇められているそうです。般若心経をお唱えし生きている喜びを報告しました。
ここからまた滑り易い急な細道がジグザグに続きます。5、6人の人がチェン
ソーを響かせて枯れ松を伐採していました。周回コースから分かれて山頂を目
指します。ここにもセンブリが可愛い花を咲かせていました。

 (山頂 14:50 357m) 三角点のある標高357mの山頂は低い松などに囲ま
れ展望はだめです。それでも申し訳に木立を伐採して三角点を見せていました。
山頂を越えて延びている道をたどるとテレビアンテナなどが数本立っていまし
た。石川テレビとか金沢テレビなどと日頃はそれこそ縁のない局のものです。
分かれ道まで引き返して北東方向へ進みます。やがて下りの尾根道になり、と
ころどころ展望のきく場所があります。

 (展望 15:00 310m)  荒波に削り取られた断崖の真下に曽々木海岸が望ま
れ、旅館や民宿などが見え隠れしています。正面の遥か沖合いには七つ島が一
直線に並んでいて、西方面には小さな海岸の出入りが続いてきれいな景色を見
せてくれます。あの辺りが輪島の街だろうかと眺めました。東方面は近くの山
が視界を遮って海岸線は望めません。ヤマナラシ群落の稜線をしばらく下ると
道は真下に向けて分かれています。崩れ易い急斜面にはロープや手すりが取り
付けてあり、転んでは大変と慎重に下っていきました。

 (千体地蔵 15:30 250m) 「千体地蔵 これより240m」の立て札に導か
れて左手上方に登ります。かなりの崖の悪路でここにも手すりやロープがつけ
られています。水音が地下から聞こえる岩ごろごろの沢を渡り、少し登った辺
りから一転して急な下りです。「あと100m」の案内にうんざりしながらも
なんとかたどり着きました。
 案内板を読むと「風化侵食された流紋岩と安山岩の節理により、まるで多数
の石仏が林立しているように見えます。ここは最近まで道もなく、ふもとの人
でさえ足を運ばない伝説の秘境でした。云々・・・」とあり、そうだなぁと納
得します。そっくりの地蔵が千体どころか万体くらいびっしりでした。

 (道は工事中) 引き返して下り「みのまくり展望台」を過ぎると、テント
の作業小屋があり少し下にユンボなどがありますが、今日の作業は終わったら
しく人の姿はありません。工事中の道になるとぬかるんだ土と、完成していな
い石や木の段で歩くのに難渋です。千体地蔵を多くの人に拝んでもらうための
工事のようでした。なんとか尻餅もつかずに下りました。

 (下山 16:10) みのまくり登山口に下りてみると、「工事中に付き登らな
いで下さい。平成9年3月31日まで」との立て札。「なんちゅうこっちゃ。
窓岩登山口にも表示してくれていたら・・・」とも思いましたが、知らなかっ
たおかげで全コースが巡れたんだとも感謝したり・・・
 岩倉山357mは超低山ですが、海岸からの登山だけに標高まるまるの上り
下りです。(わざわざ登りに行くような山ではありませんが)崖の美しい海岸
を作っている山だけに急斜面の山歩・・・いや散歩になりました。

 (付けたし 1) 泊まった宿のおかみさんの話「山の中に地蔵があるとの
言い伝えは有りましたが、どこにあるのか地元の人も知りませんでした。うち
の爺さんは山が好きで、よく登っていました。昭和48年に爺さんが見つけて
道がつけられ、テレビに出てから地蔵は有名になったんですよ。」

 (付けたし 2) 岡山ー小松空港が最近開かれ、その就航記念に(全く関
わりはないんですが)能登ぶらり一人旅に出かけました。10月14日(月)
に輪島市の東北20kmあまりの曽々木海岸をのんびり歩くつもりでした。ふ
と目についた散策案内板のコースタイムを見て、「こりゃぁ時間的に何とかな
りそうだ。」と予定外の岩倉山を思いついたんです。


please mail to akiyuki@soon.com(メール代理受:黒江彰之)