1996.10.10(木)
熊ん蜂にびびる泉山
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 (泉山 イズミヤマ 1209m 岡山県奥津町・鏡野町)
  岡山県内で名の知れた山のほとんどは県境にありますが、この泉山は全く自
前の山です。冬になると雪で白く光る姿が県北の人々の目をひきつけています。
 毎月1,2回登っていた10年ほど前には奥津側から登っていましたが、こ
こ数年は鏡野側からになっています。久しぶりに奥津町側から登りました。

 (登山口) 激しい反対闘争が40年続いた奥津町。苫田(トマタ)ダムに沈む
500戸は数戸を残して立ち退き、今は建設工事が始まっています。生活の消
えた寂しい悲しい道(国道179)を遡り、水没を免れる集落に着くと吉井川
を渡り東の谷に入って行きます。
 泉イワ神社の鳥居近くに駐車。参拝を済ませ、左手に沢音を聞きながら林道
を10分ばかり登ります。空は快晴。植林の間から泉山(南峰)の岩場「覗き
岩」が見え隠れしています。砕石が入り林道も良くなっています。
 10年程前の今より10才程若かった頃を懐かしく思い出しながら気分よく
登っていたのですが・・・ 登山道が林道から分かれる地点の標識に

 (蜂に注意) 「登山道の途中にスズメバチの巣があります。十分注意して
ください。奥津町」の立て札。(ありゃりゃぁ こりゃぁかなわんぞー)(ま
ぁ なんとか なるわい)と山道に入ったものの 頭の中は(どこに 巣があ
るんかなぁ)でいっぱい。展望も花も有ったもんじゃぁありません。

 (口笛踊り) 50m程前を登っている3人組。その後尾の年輩者が突如 
手を振り踊り跳ねながら駆け上がりました。ピーピー口笛を吹きながら。蜂が
たくさん飛び回っています。蜂は道辺の古い枯れ株から出入りしています。土
の中に巣を作る中型のスズメバチ(地方名・チュウグマ)です。
 後で、その3人組に追いついた時の話。前の2人は「私らは何とも気付かず
に通ったんですが・・・」 年輩者は「立て札で気にはしていたんですが・・
びっくりしたなぁ。でもまぁ刺されなんでよかった。」
 蜂避けの、あの口笛の効き目はあるのでしょうか?

 (迂回) (ありゃぁ 道の下に巣が有るようなもんじゃ)(今 通ったら
絶対刺されるなぁ) 注射が怖くて病院が嫌いの私は蜂の注射も苦手です。こ
こで引き返すのも大人げないと反対の熊笹の中へゴソゴソと・・・いや、笹音
で蜂が興奮したら困る・・・そろりそろりと遠回りして巣の上手に出ました。
下りる時の目印に木の枝を折って・・・その上 用心にもう一つ目印を。

 (5人中3人) 井水山(泉山南峰)で昼飯を食べ終わり、中峰・主峰(北
峰)への縦走に出かけようとしていたら、がやがやと大声で話ながら登って来
る人。ハーハーと息急いて登ってきた先頭の人が「やられましたぁー。5人で
来たんですが3人が刺されて・・・」と興奮気味です。下からも元気な声がし
ています。(あのスズメバチに刺されて、よく登って来たもんじゃ。私なら、
すぐ降りて病院に・・・)と病院嫌いながらも考えますよ。

 (子連れ) 小学4年の女の子を連れた若いお父さんが、刺された話を聞い
て話かけてきたので「実はこれこれしかじか・・・木の枝に目印に付けている
んです。」と場所を知らせてやりました。すると「スズメバチは木の上に巣を
作っているんだろうと上ばかり探したんですが・・・そうですか。気付かずに
登ったんです。車を下に止めているんで、どうしてもあの道を降りないと・・
でも、この子がいるんで・・・」と心配しています。
 結局、足の遅い私について下りてきました。蜂はまだブンブン飛んでいまし
た。そこでウルシの混じる薮をこいで遠回りし、無事下山しました。

 (その他) 蜂の話になってしまってご免なさい。空気もきれいで、かなり
の展望でした。熊笹の尾根道にはリンドウやセンブリ、可愛いウメバチソウが
たくさん咲いていました。

 (データ) 平成8年10月10日(木) 晴 
登山口 9:30 450m  林道分かれ 9:50 570m  福ヶ乢 10:50 890m
1035ピーク 11:20  井水山イズミヤマ(南峰)11:50-13:00 1150m 昼食・覗き岩
泉山 13:50-14:10 1209m  中峰 14:30  南峰 14:50  福が乢 15:30
林道分かれ 16:20(父娘の1ナンバー車に便乗) 駐車所 16:30 帰宅 17:20
ザック 9kg  (片道)林道1km 山道4.5km


please mail to akiyuki@soon.com(メール代理受:黒江彰之)