(岡山の屋根) 大きな山の無い岡山県。その中での1.2.3に入る最高
峰の後山(ウシロヤマ)1345mと舟木山1334m・鍋ヶ谷山1253m・駒の尾山(コマノオサン)1281
を縦走しました。岡山県の北東部に位置する西粟倉、東粟倉と兵庫県の県境で
す。いつものように爺の仲間です。
(人畜無害) 涼しい風が気分を若返らせてくれる峠の登山口を出発。杉檜
の植林をくぐると、なだらかな尾根道が続きます。昨夜のソフトボールナイタ
ーで転んだ事、陸上と体操で鍛えた筈の足が弱ってしまった事、奥方の尻下で
細々暮らしている事など話は年寄り話です。お互いに色気も失せて、
「人畜無害の人間になったなぁ」
と大笑い。
(ササユリ豊作) クマザサの中のササユリが清楚に迎えてくれます。今日
はササユリいっぱいの山歩でした。開花したばかりのピンクの花、今にも開き
そうな下向きのつぼみ、虫喰いで破れ哀れに垂れた老いの花・・・などなどと、
さまざまなササユリが今日を歓迎してくれます。残念ながらコンパクトカメラ。
(刈払機唸る) なだらかな駒の尾山頂の東方向へ今日の山塊が曇空に望ま
れます。山頂の東100mにコンクリート避難小屋が立っています。後方に草
刈機のやかましい音が響いて来ました。どうやら登山路の道繕いをしてくれて
いるようです。
(クチハミ) ゆるやかなアップダウンを繰り返して鍋ヶ谷山を通過。笹竹
と蜘蛛の巣をかき分けて進みます。3番を歩くIK爺が
「おっ、クチハミ(マムシ)じゃ。」
見ると道のすぐ側にドクロを卷いています。
「こりゃぁ太いけぇ子を持っているで。」
「先頭のワシが踏んで、2番のkk爺に噛みつくところじゃったなぁ・・・」
辺りの枯れ笹を投げつけましたが、なかなか動じません。
「さすが・・・貫禄じゃぁ・・・」
(へぇーとこ) 相変わらず道の両側は背の高いチシマザサに覆われ展望は
効きません。背丈2〜3mのチシマザサの筍が根を曲げずにすらっと気持ちよく伸びています。もう少し早い時期だったら筍がたくさん採れたのになぁと残
念。こちらではスズノコ(筍)を「ヘートコ」と呼ぶんですよ。
(県を跨ぐ) ”森の白き妖精”ギンリョウソウも道辺で出迎えてくれまし
た。上り下りしながら稜線道が続きます。チシマザサの切れた所からは南に岡
山の村、北に兵庫の村が俯瞰されます。老いのふらつく右足は岡山県、左足は
兵庫県と繰り返しながら、舟木山を越えました。
(女人禁制) 大峰と同じ修験道の霊山・後山ですが、この稜線道には女人
結界が立っていません。麓からの険しい谷道には有るのに。信者の方はこの稜
線を縦走してくる女人を嫌っているそうです。山頂の奥宮にお祈りして昼食。
北に氷ノ山、北東に三室山と兵庫県の名山が霞んでいます。
(にわか雨) 往路を引き返しての下山中に空模様が妖しくなり、とうとう
ポツポツとやってきました。道を覆うチシマザサでは傘はさせず、
「パンツまでビショで行くか・・・」
と某爺が覚悟を決めてつぶやいた直後に道は大きく開けました。あの刈払機の
3人がそこまで整備してきてくれていたんです。気分よく傘を開いて、
「やっぱり日頃が・・・」
と自賛。ザーザー雨の中を駆け、予定より早く次々と通過しました。
(温泉) 下山後、国民休暇村の「あわくら荘」でビールをいただき、ラジ
ューム温泉に浸りながら、正面に登ったばかりの「駒の尾山」を眺めました。
「いい湯だな ハハン ・・・」
やはり山歩のあとは温泉に限りますなぁ・・・
(データ) 1996.7.3 (水) 曇 にわか雨 爺3人
津山一宮待合せ 6:30 登山口 8:15 950m 駒の尾山頂 9:45 1281m
避難小屋 9:50 (ガス) 鍋ヶ谷山 10:30 1253m 舟木山 11:20 1334m
後山 11:50〜12:50 昼食 舟木山 13:10 (雨〜) 鍋ヶ谷山 13:50
避難小屋 14:20 (雨上り) 下山 15:15 温泉 15:30 津山 18:00 解散
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