生まれて63年間見続けてきた川向こうの山(374m)に初めて登りました。
わが家の前を旭川が流れ、その川向こうに名もない山が昔からあります。植林
されたり、松喰いで枯れたり、一部土砂崩れがあったりはしますが、山そのも
のは全く同じ姿です。
石を投げれば届きそうな眼前の山ですが、4km上流に橋があるので道のり
は8kmも離れています。今は合併して同じ町ですが、40年前まではヨソで
した。辺りには民家は無く、わが家の所有山もなく、全く用事のない山です。
でも、毎日毎日、目にする山です。(あの川向こうの山から自分の集落を撮れ
ば・・・)と思いついて出かけました。
「百聞は一見に如かず」とは言いますが「二万日見ても一汗に如かず」で、
60余年間も見てきた山ながら、自分の想いとひどく違いました。
1 平面的な山だと思っていたんですが、深い谷もあって立体的な山だと感じ
ました。(当たり前ながら)。
2 傾斜の思い違い。急な尾根道だと思っていた所が案外緩やかだったり、反
対に断崖絶壁に近い斜面があったりです。
3 「あの木に登って撮ろう」と考えていた木が、大変な大木で寄りつけませ
ん。雑木林も植林も予想よりはるかに大きな木でした。
4 日頃、人影を見た事の無い山ですが あちこちに古い山道があり、地蔵が
転がっていたりして人の匂いが強くしました。
5 そこの木陰から眺めて、吾が集落の再発見もあれこれと有りました。
今後おそらく自分の足で歩く事のない山・・・見るばかりの山だろうなぁと
感傷し、良い死土産ができたと感慨無量でした。
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