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(今昔) 岡山県の東北部。兵庫県に入り込むように東粟倉村があります。
そこは氷ノ山・後山国定公園です。人口1400余の小さな村の新しきと古き
を爺二人で訪ねました。
(愛の鐘) ベルと鐘はどう違うのか知りませんが、ここに日本一のベル
「愛の鐘リュバンベール」(リュバンベール=緑のリボン フランス語)がありま
す。なんでも例のふるさとソウセイ1億円で作ったとか。大は直径2m余、重さ6
トンに近くて音階は「ソ」、小は「ド」の音がするそうです。
(鐘の音) 4階建ての近代的な白亜の鐘楼に登って鐘をつきました。自動
演奏の時は鐘が揺れて中の金玉?に当たって奏でるそうです。手動は金玉?に
ついている紐を引いて鐘に当てるんですが、なかなかです。前に走り後に引き
と数回繰り返し揺れを大きくすると、グアァーーァンと良い音がしました。で
も、私には「ド」か「ソ」かよく分かりません。
(結婚式) ここは日名倉山(ヒナクラサン 1047m)の中腹、見晴らしのよい850m
の丘です。鐘の音は遥か麓の閑村と連なる中国山地にこだまし、なんとなく心
が洗われるようです。遠く関東・九州などからも若い2人がやってきて結婚式
を挙げ、ホールにはその写真がいっぱいです。ここで式を挙げたいなぁとも夢
見て・・・
(信仰) 話変わって、滝のように流れ落ちる渓谷に沿って登ります。岡山
県一の高峰・後山(ウシロヤマ 1,345m)は1300年余の歴史をもつ信仰の行者山
です。岩をかむ水音を右に左に、険しい参拝道が続きます。前日の雨で増水し
て流されて来たのか、鹿の後足の白骨が岩にかかっていました。
(女人禁制) 女の垢離取場を過ぎ上流に男の垢離取場、レディファースト
の時代では??? しばらく進むと女人堂。奈良時代前期、役小角(エンノオズヌ)
によって修験道の霊地として開かれたこの山は、大峰山とともに女人禁制の山
です。女人堂のすぐ上に丸太の女人結界が立てられています。
(本堂) 鎖場は爺には無理で回り道して登ります。谷も狭まり大きな崖が
覆いかぶさる所に本堂が造られ、その横に数棟のオコモリ堂がならんでいます。
祭日には万余の参詣者があり自家発電するようです。それらの建物を支える石
垣は城を思わせる大きく立派なものでした。
(冬と春) 参道や本堂の周りには雪が残り、境内の桜は固いつぼみです。
でも、早い木は芽が萌え出て、うっすら春の色です。小鳥も春を迎えて忙しそ
うに愛をささやいています。餌を漁って梢を渡る小鳥の影も見えます。流れ落
ちる谷瀬の音は、寒い冬のようにも温んだ春のようにも聞こえ、遠くに愛の鐘
が響いています。
(愛の水) 下山後、近くの名水を飲みに寄りました。案内板には保健所お
墨付きの説明も。これを飲んで行者山に祈れば恋人ができるかもしれない?と
も。容器を携えた人が並び、今の良き世をみせています。
(データ) ’96.5.2(木) 濃霧 曇 のち 晴 I爺と
家発 6:10 津山待合せ 6:45 登山口 8:05 日名倉山頂 9:00
ベルピール自然公園 (鐘)10:00〜 オルゴール鑑賞 10:30〜 後山登山口 11:30
女人道 12:20 本堂(1000m) 13:10〜昼食 女人堂 15:05
下山(駐車場) 15:40 愛の水 16:00 帰宅 17:30
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