1996.01.02(火)
ふるさと「中の谷山」
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 <ふるさとの山> 正月2日(火)にふるさとの「中の谷山451m」に登りま
した。年末の大雪がまだ残っており、ゴム長2本杖のいでたちです。西を流れ
る旭川の瀬音は思わぬ大きな音を立てています。

 <冬の山> 登る尾根道の雪には犬くらいの足跡が道案内のように続き、時
には大きな足跡が横切っています。多分イノシシなんでしょう。小鳥が梢に見
え隠れし、ヒヨドリの大声も響いています。赤い実をいっぱいにつけたフクラ
シ(ソヨゴ)の枝に雪の塊がのっかり、大雪の名残を見せています。

 <山頂> 平たい広場の山頂は松や檜で覆われています。ここは通称「一の
丸」と呼ばれ、土器尾城(トキオジョウ) の跡です。測量用のポールの足もとの雪を
払うと三角点が出てきました。木立の間からは東に旭町乗国の集落が望まれ、
北には星山・櫃ケ山・大空山などが白い峰を連ねています。

 <伝説> 土器尾城は400年ほど前の宇喜多家の臣 牧 藤左衛門の居城
と伝えられています。踏み固めたような土の段も残っています。地元には埋蔵
宝物の話が伝わっていますが、さしたる古文書などは見当たらず謎多い話です。
「漆千樽・朱千樽・金が満貫万万貫、朝日夕陽の良くあたる 縄3ボンの内に
あり」の場所に宝物が埋められていると、年寄りから聞いたものです。何でも
掘り起こして探した事があるらしく、それらしい掘り跡と思われる窪みもあり
ます。その時には発見されなかったとか。そこで、まだ探し当てる楽しみが残
っています。でも、本気で発掘しようという人はいないようです。

 <ボン> 縄などの長さの単位で、両手を広げた巾が1ヒロ。1ボンは20
ヒロ。だから、3ボンは60ヒロで、約90mくらい・・・だとか。

 <尾根を下る> 山頂から真西にたどり、二の丸と呼ばれるピークに出ます。
そこから 北西に尾根が延び、なだらかに下って行きます。379m地点を何
の気なく下っていると派生した尾根に入り、引き返します。はるか右下に旭川
が流れ、川沿いの道路を車が走り、宣伝車のスピーカの声も伝わって来ます。

 <逆巻き砦> 尾根のとっさきは旭川に突き出た186mの鼻です。ここは
土器尾城の砦だと伝え聞いています。その岩に突き当たった川水は大きな渦を
卷いて蛇行していました。今は穏やかな淵ですが、大水の時には大渦を起こし
険しい様相を見せます。東西南北の陸上と河川交通の要衝に位置したこの砦は、
眼下の行き来を睨んでいたのでしょう。

 <山行データ> 平成8年1月2日(火)晴  中高年2人 積雪10〜40cm
 9:25 出発     9:35 登始120m  10:35 299mピーク
12:00 山頂451m  12:20 二の丸   13:20 逆巻き砦186m
13:40 逆巻き地蔵 14:00 帰着      全行程 休憩昼食抜き


please mail to akiyuki@soon.com(メール代理受:黒江彰之)