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 「今年はあそこの山を樵ろう。」と昭和30年頃までは、毎年冬になると山
仕事をしていました。冬は田畑の仕事が少ない時です。1年間に必要な薪と炭
を冬の間に調達します。適当な年数に育った雑木林を必要量の薪炭がとれる広
さだけ伐採します。大木になると薪や炭に不向きですし、伐採や運搬などの仕
事もやりにくくなるので、年次計画で伐採したものです。
 まず、林の下草を刈り払い、仕事をし易くします。そして下から順に伐採し
ていきます。根元にマサカリで三角に切り込みを入れ、反対から鋸でひきます。
幹は薪用や炭用に合わせて一定の長さ切り、枝は積み上げて置き、後でタキギ
の束にします。クヌギ・コナラ・アベマキなどは、良質の木炭材であり、よく
燃える薪材なので「マキノキ」と言っていました。
 松や杉など用材になる木は伐採せずに残しておきます。この辺では「植林」
でない天然林が「雑木林」で、雑木林の中の松や杉やマキノキでない木をゾウ
キと呼んでいました。LPガスや油が主な燃料の今は全ての木が雑木です。雑
木林の伐採もしなくなり、昔の雑木林とは違う林になりました。

                              (94/12/16)
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