湖底の学校跡 トップページに戻る
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 かつてない小雨で各地の用水池やダムが干上がり、湖底が姿を現しました。
わが家の上流の湯原ダムも貯水量が10%台に下がり、昭和29年水没以来の
低水位になりました。水没していた旧維新小学校跡が姿を現したと言う新聞記
事をみて、現地を訪ねてみました。
 40数年間の泥が厚く積もり、今ひび割れています。校舎の基礎が見られ、
運動場には創立記念碑や桜並木の残骸、卒業記念の台座など。周囲には民家の
屋敷跡、石積みの囲い、地蔵さんなどが当時の集落を物語っています。
 そこの卒業生の方が見学にこられていて、「この辺りが教室。ここが学校の
前の豆腐屋の井戸。よく水を飲ませてもらったもんです。」と一見懐かしそう
に話しておられました。「ここが先生の宿直室で。これはコタツじゃなあ。」
見ると掘りコタツの石組みが残っています。
 住み慣れたふるさとを後にした住民や母校を無くした卒業生の胸中を察し、
体が熱くなりました。おもいでやふるさとは命のもとのようです。
幾度か水害を被っていたわが家は、昭29以降水害に遭っていません。偶然?

                              (94/09/11)