1995.09.28(木)
蒜山三座 のんびり縦歩
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 61才〜64才の男4人 現在の体力なら何とか縦走できるのでは?  と、
9月28日(木)に蒜山三座に向かいました。

                 1200m       1123m
                上蒜山      中蒜山              1100m
       槍ケ峰   /\                        下蒜山
       1030m  /    \    / :\             /\
         / ̄        \/   :  \       / ̄    \
       /           ユートピア    :    \_/ ̄          \  雲居平
     /              985m     :    フングリ乢            \ 674m
   /                         :     815m                ̄\
 百合原                     ◎                            \
  585m                      塩釜(日本100名水)          犬挟峠
                                                             515m

 5:30 <出発> いそいそと米子道で蒜山ICへ。下山地の犬挟峠に一車回送、
   万一の途中下山に備えて塩釜にも一車を待機させて一路上蒜登山口へ。
   蒜山の穏やかな山容は、麓に広がる高原とあいまって牧歌的な雰囲気を
   醸し出しています。西の軽井沢とも呼ばれる別荘地でもあります。

 7:25 <百合原> 朝霧が低く立ちこめる肌寒い朝です。いきなり十数頭のジ
   ャージー牛が、人なつこく近寄り出迎えてくれます。牧場を横切り麓の
   植林の中へと入って行きます。すぐ長い階段が直線的に続き、植林が終
   わると背後に蒜山高原の広がりが見えて来ます。

 9:30 <槍ケ峰>  北西方向にガスを被った大山。その手前に黒く鋭い岩峰の
   烏ヶ山が浮き出ており、南から東にかけて山並が幾重にも重なって山水
   画の眺めです。ヤマボウシが「どうぞ召し上がれ」と赤い実を持ち上げ
   ています。懐かしく素朴な美味をどっさり味わいました。

10:25 <上蒜山>  ブナの原生林を進み、鳥取県境の所で道は分岐して上蒜に
   向かいます。山頂は豊作の実を着けたブナやナナカマドで展望はききま
   せん。しばしの休憩。小径を引き返して分岐点を東にとり、岩混じりの
   歩きにくい坂道を下ります。枯れた大木にツキヨタケがびっしり。

11:30 <ユートピア>  正面のどっしりした中蒜山への道が笹原に緩やかな線を描
   いています。ヤマラッキョウ・リンドウ・ワレモコウなどマクロ撮影に
   力が入ります。谷底から吹き上がる涼風をいっぱいに吸い込み、気分は
   まことに爽快です。遠くに後醍醐天皇の船上山が座っています。

12:05 <中蒜山>  避難小屋を通り越して山頂。昼食。高天ケ原伝説の地と自
   動車道の蒜山SAが並んで今昔を語っています。高年者は予想以上に快
   調で中途下山の必要も無く、縦走に向かって東に下ります。アキノキリ
   ンソウが並ぶ山道の北側には、風雪で無惨な姿の檜植林が続きます。

13:25 <フングリ乢> 今は名前のみの乢で山越えする道は見当たりません。尾根
   道はアップダウンを繰り返し徐々に高度を上げて行きます。カラマツは
   南側の枝が折れて無くなり北側だけに伸びていて、一見あれっと感じま
   す。クマシデ・ヤマナシもたくさんの実を付け秋を迎えています。

15:00 <下蒜山>  最後の上りを頑張ると山頂は360度展望・・・大山・毛
   無山・櫃ケ山・泉山・氷ノ山・・・と連なっています。南下には珪藻土
   の露天掘りや古墳を抱えた蒜山高原がのどかに広がり、北には倉吉市や
   町や村。その向こうに日本海の海岸が横に伸びています。

15:55 <雲居平>  縦走路一番の急坂の下にはヘヤーヌードそっくりの姿で山
   肌が美しく媚びています。気を取られぬように慎重に下り、美女の下腹
   部でひと休み。ワレモコウ・ウメバチソウなどのお花畑にアーと声が出
   ます。ロープの坂を下り、雑木林に入るとアケビが鈴なりでした。

16:55 <犬挟峠>  国道313の下界のざわめきで本日の縦走は終了。秋を深
   めるススキの原に下蒜が影を落とし、見上げる登山路に落日間近です。
   けがも無く、かなりの余力を残して上蒜・中蒜・下蒜の三座を軽く?走
   破。今回の登山で気力体力に自信を深め、高年の4人連れは意気揚揚。

 一般に6時間コースと言われている道を9時間半かけてなんのその、ゆっく
りのんびりと自然を満喫しながらの山歩でした。これが「生きている喜びを味
わった。」という事なんでしょう。蒜山大根を土産に帰宅しました。

please mail to akiyuki@soon.com(メール代理受:黒江彰之)