1995.06.12(月)
月曜日の静かな大山
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 久しぶりに中国山地の最高峰 大山(1711m 鳥取県)に登りました。
 米子道の溝口ICから山に入って行きます。こちら(西)から見る山容はき
れいな富士です。今朝の大山はガスを水泳帽のようにかぶっています。天気予
報は午後雨30%でしたが、終日 薄日の曇り日。

 単独の年寄り登山なので、人通りの多い「夏山登山道」の往復にしました。
(この道ならモシモの時が安心) 休日はアリの行列になるコースです。今日
は月曜日なんで、少しはのんびり静かな山歩ができるだろうと・・・。

 8時。登山口からしばらくは石段続き。辺りは古い寺坊跡です。石垣には一
面のユキノシタ。てんぷらにして一杯やったらいいだろうなぁと生唾を飲み込
みながら、例によって超のろのろの歩き始め。

 石段が終わると、そこから8合目までは石ころのガラガラ道。崩れ止めの丸
太の段や石を詰めたジャカゴ。露出して皮の剥けた木の根。そんな荒れ果てた
登山道をひたすら登り、ひたすら降りるナントモ味気ない夏山道です。私を含
めて登山者たちが作り上げた道です。モウシワケナイ

 2合目を過ぎ、1000mを越すともう汗です。あと700余・・・やれや
れ。3合目あたりから中木が無くなり、大ブナの緑の傘と低木の間が涼しい空
間になって気分を良くしてくれます。遠くに「カッコウ カッコウ」 近くで
「タタタタタッ」と けたたましいドラミング。

 6合目 避難小屋あたりからは低木だけになり眺めがききます。右手は崩壊
激しい北壁。大屏風岩から元谷へ崩れ落ちる石音。向こうに岩壁の三鈷峰が屹
立。右手後方を振り返ると眼下に樹海が日本海へと続き、きれいな弧を描いて
弓が浜が島根半島に伸びています。

「まあ、きれい。」若いカップルの女の歓声。
「うん。」と男が頷く。「キミノホウガキレイダヨ」と言えばいいのに。
と、小石に足をすべらせて、老いのわが身は四つんばい。
すかさずホトトギスが、「とっつぁん こけたか ほっとけ ほっとけ」

 10時30分 山頂。ガスで、おまけに強風。山頂小屋で弁当。そそくさと
下山開始。8合目付近で満開のイワカガミをしばしカメラに。北壁も・・・雪
渓も・・・マイズルソウも・・・ギンリョウソウも・・・と、あれもこれもと
写していたら、下山に3時間もかかりました。

 東京から飛行機で来た40余名のツアーはじめ 百名ばかりの登山者のみ。
度々のこの夏山道登山は珍しく静かな6月12日でした。

please mail to akiyuki@soon.com(メール代理受:黒江彰之)